自立型吸音パネルTOPAK Q-onの吸音効果をスクウェア・エニックス所属作曲家2名がレビュー

「TOPAK Q-on」はイタリアPatt社の木製吸音材「TOPAKUSTIK(トパクスティック)」を使用した自立型パネルです。このTOPAK Q-onを音楽制作の現場で活躍するスクウェア・エニックスの作曲家2名に検証してもらったレビューをご紹介します。

 

低音がタイトに、残響もスッキリと

・エニックス作曲家 岩﨑英則

作曲家 岩﨑英則(イワサキ ヒデノリ)

株式会社ハムにてシンセオペレーター・アシスタントを経て、プロのシンセオペレーターとしてキャリアをスタートする。1998年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。ハリウッド映画のようなダイナミックかつ重厚なサウンドや、フォークロア(民族音楽的)なフレーズを持ち味としている。「BLOODMASQUE」の音楽制作ではハリウッドでの録音を敢行した。

 

 

 

 

 

 

まずは岩﨑さんが手掛けた作品と、得意な音楽ジャンルを教えてください。

最近だと、iPadやiPhone用のゲームアプリ「BLOODMASQUE」の音楽を手掛けました。得意なジャンルは大きく2つあって、ひとつは民族音楽やエッセンスをゲーム音楽に取り入れることです。もうひとつは、映画音楽家のハンス・ジマーのようなハリウッド映画的で重厚なサウンドメイクが得意ですね。

 

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吸音パネル「TOPAK Q-on」の設置前と設置後では、サウンドの聴こえ方には変化はありましたか?

今回はアラン・シルヴェストリの映画音楽作品「ヴァン・ヘルシング」を聴いてチェックしましたが、TOPAK Q-onを自分の後ろに置いて、左右のスピーカーと対面するような形で設置すると、低音がタイトになってハッキリするというか、音が締まって聴こえる印象でした。

 

 

 

 

 

低域以外の変化はどうですか?

オーケストラの曲を打ち込みで作る時に、ティンパニやグランカッサ(大太鼓)の音色を使うのですが、実際のオーケストラだとこれらの楽器は後ろの方で鳴っているので、その奥行き感を再現するためにリバーブを使って残響を付けるんです。その処理を行っている時に低域だけでなく、残響もスッキリして、音の分離が良くなったことを実感できました。

その他の注目ポイントは?

オプションでキャスターが取り付けられるので、ひとりでも手軽に動かせるところですね。僕の場合は色々と試した結果、先ほど言ったように自分の後ろに置くのが効果的でした。読者の皆さんも、自宅の環境に応じて設置場所を変えるといいと思いますよ。

 

 

 

「音が整理された」という感じがしました

スクウェア・エニックス所属作曲家水田直志

作曲家 水田直志(ミズタ ナオシ)

1998年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社。「FINAL FANTASY XI」をはじめ、「FINAL FANTASY XIII」シリーズなど、スクウェア・エニックスを代表する看板タイトルの作曲を担当する傍ら、ハイセンスなゲーム音楽ファンの間で注目を集めるユニット「ナナーミーゴス」のプロデュースを手掛けるなど、マルチに活躍している。

 

 

 

 

 

 

まず最初に、水田さんが最近手掛けた作品と、得意な音楽ジャンルを教えてください。

最近だと、「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」の音楽を担当しました。オーソドックスなファンタジーもののゲーム音楽を多く手掛けていますが、作っているのはあくまでもゲーム音楽なので、特定のジャンルに偏らないようにしています。

DSCF4691吸音パネル「TOPAK Q-on」の設置前と設置後でのサウンドの変化はいかがでしたか?

このスタジオはもともと吸音材が貼られているので、音響のバランスはいい部屋なんですね。なので、今回はパネルの置き方によって音がどう変わるかを試してみました。1枚は金属の防音ドアの前に置いて、もう1枚を自分の後ろに置いた状態で、冨田ラボの「Joyous」をリファレンスCDとして大音量で再生しました。冨田さんのアレンジはすごく音数が多いのですが、これを大音量で聴いた時でも音が飽和した感じがなくて、ひとつひとつの音がハッキリと見える感じがしたんです。言ってみれば、この吸音材を置いたことによって”音が整理された”という感じがしました。

 

 

 

水田さんが本製品を制作に使用するとしたら、どのような使い方をしますか?

例えば、このスタジオで仮歌を録る時に、ノイズを軽減するためにこれでマイクを囲ってみたいですね。

では、本製品の購入を検討している読者にアドバイスをお願いします。

本製品は、音響が整備されてない自宅に設置するのに最適だと思います。

 

 

トパクスティック「TOPAK Q-on」製品概要

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「TOPAK Q-on」は、室内音響の先進国ヨーロッパで高い評価を得ているイタリアPatt社製の木製吸音材「TOPAKUSTIK」を用いて作られた自立型パネルです。
「TOPAKUSTIK」は吸音効果はもちろんのこと、最大の特徴としてはデザイン性の高さにあります。MDFボード(中密度繊維板)にメラミン化粧紙を張り合わせ、有孔およびスリット加工を施すことで、今までの吸音材の持つ「音楽室」、「スタジオ」といったイメージを払拭し、多方面で使用できる仕上がりとなっています。また、スリットの幅と間隔の違いで意匠性はもちろん、吸音性能も変化します。
「TOPAK Q-on」自立型パネルは、背面の化粧パネルが差し込み式となっているので、取り外して中に設置してあるサーモウールを取り外し、吸音量の調整ができるのが魅力のひとつです。

 

※このレビューは、2013年取材のサウンド・デザイナー掲載記事の転載です。

 

 

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