『弦楽器製作のオリンピック』と呼ばれ、3年に1度開催される製作コンクール『クレモナ・トリエンナーレ』。
2012年9月27日に行われた表彰式を取材して参りましたので、その模様を速報という形でご報告します。
うれしいことに、宮地楽器でその作品を取り扱っている製作家が4名表彰されています。
まずは、地元・クレモナ在住の菊田浩氏。
ヴィオラ部門のファイナリストとして表彰されました。総合成績で第5位。
惜しくもメダルには手が届きませんでしたが、100本以上の強豪がひしめくヴィオラ部門でこの成績は、
大変立派なことです。
そして、ヴィオラ部門の第4位で、マルコ オジオさんが表彰されました。
オジオさんは、併せてALI(イタリア弦楽器製作者協会)特別賞も受賞されています。
そして、国際コンクールの常連、クリストフ クルッパさんは、チェロ部門で1位なしの2位、
最高位を受賞しています。
数々の国際コンクールで入賞してきた彼ですが、さすがに世界最大規模のこのコンクールでの最高位は
うれしそうです。
そして、今回のコンクールで台風の目となったのがこの方。
30歳以下の参加者の中の最優秀得点者に授与される、『Simone Fernando Sacconi賞』を受賞した、
松上一平さんです。
前日に国際電話で受賞の連絡を受けた松上さん、急いで成田空港に向かい、
表彰式のわずか30分ほど前に会場であるクレモナのポンキエリ劇場に到着しました。
最優秀の若手に贈られるこのサッコーニ賞。
松上さんは、海外留学などの経験はありませんが、日本の専門学校を卒業後、
ずっと理想のヴァイオリンを目指して製作を続けてこられました。
今回の受賞は、私たちも同じ日本人として大変誇らしく思いますし、大変勇気づけられた出来事です。
表彰を受けた皆さん、本当におめでとうございます。
今回ご紹介した菊田浩氏、クリストフ クルッパ氏、松上一平氏の経歴は、宮地楽器HPにてご紹介しております。
次号から、年に1度の弦楽器の祭典、モンドムジカを含めたクレモナ訪問記を連載します。