ピアノのコラム~外装の違い編

ピアノのコラム ~ ピアノのコラム ~

楽器の王様といわれる「ピアノ」。

ピアノとひとくちに言っても、グランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノ…と色々ありますね。
お使いになるお客様の用途や目的、ご希望に応じて、それぞれおすすめする内容も違って参ります。 

宮地楽器 ららぽーと立川立飛店 鍵盤楽器担当によるこのコラムが皆様のピアノ購入のご検討に際して、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

「黒いピアノと木目のピアノ。デザインの違いって?」

「ピアノはやっぱり黒じゃないと…」 「家具や内装にあわせて木目の素敵なピアノが欲しい…」

ご来店されるお客様がピアノを選ばれる際に、機能や音の違いとあわせて、検討されるのがピアノの外装。
これはアップライトピアノにもグランドピアノにも共通した内容になりますが、せっかくお求め頂くピアノですから気に入った外装のピアノを選びたいものです。

ピアノが生まれ発展したヨーロッパでは木地外装のピアノがほとんどですが、日本ではピアノは「黒・鏡面艶出し」というイメージが強いようです。

もちろん日本のピアノメーカー各社でも木目外装のピアノを作っているのですが、従来のピアノに対するイメージやメーカー希望小売価格の差などから、黒・鏡面艶出しを購入されるお客様が多いことは事実です。

クラヴィコードやチェンバロといったピアノが発明される以前の楽器には、楽器としての機能だけでなく、様々な装飾が施されていたことや、ヨーロッパのピアノメーカー各社の創業者が家具職人から転身したケースが多いことなどからも、ヨーロッパでは木地外装のピアノが一般的である理由が想像できます。当然、日本に初めてもたらされたピアノも、木地外装のピアノであったものと思われます。

ではなぜ「日本のピアノ=黒・鏡面艶出し」というイメージになったのでしょうか。

YAMAHA アップライトピアノ SU7

これは想像ですが、日本の気候にあった塗料として、日本の伝統的な塗料である「漆」をピアノの外装に施したことが、現在のイメージを定着させた理由なのではないかと思います。

英和辞典で【japan】という単語を調べると【日本・漆・漆器】と訳されていることも、現在のピアノのイメージにつながるようで、何となく面白い感じがします。
 ※現在の黒・鏡面仕上げは、漆ではなくポリエステル塗装です。

 

ベヒシュタイン アップライトピアノ B.112Modern

面白いことに、最近ではヨーロッパのピアノメーカー各社も黒・鏡面艶出しのピアノを積極的に市場に投入しています。

野球やサッカーなど、日本人選手が海外で活躍するのと同様、ヤマハのピアノが海外でも非常に高い評価を得ていることも、少なからず影響しているのではないかと思います。

 

ピアノの外装には、黒・鏡面艶出しのほか、代表的なものとしては「ウォルナット」や「マホガニー」、その他にも「チェリー」「チーク」「アルダー」「ローズウッド」など、様々な木地が仕上げとして使われています。

 
<ご参考:ヤマハピアノに使われている樹種>
 
YAMAHA アップライトピアノ YUS1Wn

【アメリカンウォルナット】  YUS1Wn

北米を産地とする、落ち着いた濃褐色の木目を持つクルミの木。
狂いが少なく緻密で粘り強いのが特長。銘木のひとつに数えられ、洋風建築の内装材をはじめ工芸品などに多く使われています。

 
YAMAHA アップライトピアノ YUS1MhC

【マホガニー】  YUS1MhC

西アフリカなどに分布する常緑高木。
濃赤褐色の明るい縞目と、堅くて狂いが少なく広い幅の板がとれるのが特長。
ヨーロッパでは古くから家具などに用いられ、貴族的伝統を持つ銘木中の銘木です。

 
 
YAMAHA アップライトピアノ YF101C

【チェリー】  YF101C

明るい色合いと、きめ細かい美しい木目が特長。堅牢で、手入れをよくすると艶が増していきます。

 
 

木地仕上げのピアノにも、黒外装と同様に【鏡面艶出し加工】の仕上げがあり、その他に半艶消し、オープンポアといった仕上げがあります。木地貼りのものでも最終的には塗料でコーティングが施されます。

 ・鏡面艶出し:塗装面が硬くキズがつきにくい。美しい艶が永く保たれる。
        極めて硬質なポリエステル塗装。

 ・半艶消し:ウレタン塗装。最も伝統的な手法で家具などでは主流の塗装。

 ・オープンポア:油性塗料とウレタン。表面に塗膜を作る塗装ではなく
          木そのものに塗料を染み込ませる仕上げ。

 

基本的に、外装のデザインの違いは、選ばれるお客様の好みによる所が大きいのであろうと思います。

楽器としての機能面だけでなく、お部屋の内装や家具との調和など、毎日ご覧になるものですから、デザイン性を重視する考え方も少なくありません。

背の高さの違いによるピアノ本来の音の違いを感じて頂き、ベースになるピアノをお決め頂いた上で、さらにオプション的に外装をお好みにそった形でお考え頂ければよろしいのではないでしょうか。

 

外装の仕上げによる音の違いは?

厳密に言えば、最終仕上げの塗料の硬さにより音色差が少なからず表れてくるものと思います。

先ほど塗装の仕上げについて触れましたが、鏡面艶出しの加工は硬質な塗装、半艶消しやオープンポアは比較してやわらかめの塗装です。

一般的に鏡面艶出しの硬い塗装のピアノは、華やかではじけるような音、半艶仕上げやオープンポアといったやわらかい塗装ではやわらかくあたたかい音ということになります。

ただ正直な所、外装の違いで音色にそれほど大きな差が出るのかといわれると難しい所で、ブラインドテストで聴き比べをした場合に、「これは黒・鏡面の音」「木地仕上げの音」と判断出来るのかどうか、私個人は全く自信がありません。

音を感じるには、単に聴覚だけでなく視覚的なことも多分に影響するものと思います。

黒・鏡面艶出しのピアノを目で捉えながら聞く音は重厚で深みのある音をイメージ出来ますし、木地仕上げのピアノからはあたたかみ・華やかさをイメージされるのではないかと思います。これも私の個人的な感想ではございますが。

最終的には音色・デザインだけでなく、使用される方にとって最も適切なピアノに出会って頂きたいという事に尽きる訳でトータルでのご満足感が大事だと思いますので、実際の違いを見て・聴いて、比較を頂き、実感頂いて、お好みのピアノに出会って頂きたいと思います。

私どもは精一杯のご説明・ご提案をさせて頂く所存でございます。
充分にご理解を頂いた上で、お客様にとって最適な選択・ご判断を頂きたいと思います。

 

皆様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ち致しております。