月別アーカイブ: 2010年4月

修理編 ユーホニウムのバネについて

本日はユーホニウムのバネについてご説明します。

学校の備品等に多いのですが、ピストンの戻りが悪かったり、ピストンを押すとカシャカシャ音がする楽器が多々見られます、様々な要因がありますが、今回はバネの影響についてご説明します、下の画像をご覧ください。

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これでは分かり難いですかね、これは全て同じサイズのバネ(スプリング)です。もちろん今までユーホニウムの中に入っていた物です。

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これが新品です。長さも揃っていますね。

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くらべると違いがはっきりします、このように長さも変わるとバネの圧力が変わりピストンの押し心地が変わります、当然演奏に影響しますよ、また曲がったバネは本体にこすれてノイズが発生します、操作にも影響します。

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これはおまけのカットです。バネ交換は自分でも簡単に出来ます、バネもけして高いものではないので1年に1度は交換しても良いかもしれません。まずは自分の使用している楽器、チェックして見て下さい。

担当KK

修理人のとっておき 私の商売道具

こんにちは、M.Sです久しぶりのブログ登場です。

今回は私のとっておきの商売道具をご紹介したいと思います。

こちらです、じゃーん♪

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これは、ただの楊子ではありません、フィラゲージと呼ばれ、主に木管のタンポに隙間がないか細かく調べる為の道具です。このとっておきの道具を使うことによりとても繊細な調整を行うことが出来ます、今まではそれほど重要視していませんでしたがこのフィラにたどり着いてからはとても調子が良いのです、それは楊子についた紙の寸法に秘密があり私にはこのサイズがとっても相性が良く、今までの数倍作業がはかどる感じがするのです。

寸法ですか?もちろん企業秘密ですよ、それはとっておきですからね、お答えはできません。

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使い方はこの通りです、FL・OB・CL等で使用します。

こんな私のとっておきを使った修理・調整はいかがですか♪皆様のご来店を心よりお待ちしております。

担当MSでした。

修理編 クラリネットの分解についてVol4

本日は、昨日の続き朝から張りきって行きましょう。ちなみに今日で分解(組立て)上管は最後です。

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へっへー、さてどのキィが組み込まれたでしょうか?

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っと言っても残りのキィは5つしかなかったのでクイズにはなりませんね。トリルキーを上から4つ取り付けています。

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最後はレジスタースキィです。

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はい、これで上管の組上がりです。皆様長い間見ていただきありがとうございます。

ちなみに、修理人はこの上管なら5分もあれば分解・組立を行います。

今日は、朝なのでこのくらいに下管の分解(今度は本当に分解かも)は近日公開予定です。

それでは皆さん、本日も1日頑張りましょう。

担当KK

修理編 クラリネットの分解についてVol3

本日はクラリネット分解(組立て)の続きを、そろそろ完成させてしまおうと思います。

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上管、メインのキィが取り付けられましたね。だんだん楽器らしくなってきました。

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ここで、注意しないといけないのは上下の画像でキィの順番を間違うと今後の組立に支障をきたす場合があります。まさかとは思いますが、このブログを見て分解(分解は比較的簡単ですが)し組立てを参考にしている方はいないと思いますが、キィの順番は間違えないで下さい。

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いったい何のキィが追加されたのでしょうか?

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正解はこのキィでした。

このまま一気に組上げたいのですが。本日は疲れてしまったのでまた明日続きを書きたいと思います。

尚、このブログは自分で楽器を分解組立てを推奨するものではありません、全ては自己責任でお願いします。

『やっちまったー』というときは当店までメールするか、ご来店下さい。

楽器は演奏するもの、いじるのは修理人にお任せください。

担当KK

修理編  木部の割れについて

本日も昨日の続きにしようとさっきまで思っていたのですが。タイトルの通り木部の割れについてお話します。

木工製品って何で割れるのでしょうね、割れは修理人泣かせの依頼内容なんです、何せ原因がはっきりしない。演奏者の使用状況により同じ団体でも割れる人割れない人があり、同じメーカーでも割れたり割れなかったりと。ひとつだけ言えるのは練習のしすぎにより割れが発生することが1番高いですね。

何も割れない為に練習するなと言っている訳ではありません、普段より多く練習すると楽器も「悲鳴」をあげるということですね。楽器もいたわりながら使用しましょう。

今日はそんな割れについて

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あらら、ピキッと割れが入ってますね、もうおわかりと思いますが、割れは、加工された音孔(トーンホール)付近から割れます。まず何もない管体部分がパックリ割れるということはありませんから、割れを見つけるには音孔やポスト付近を注意深く見て下さい。

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しっかり修正してありますね、割れは見つけ次第修正(補修)しないとどんどん広がります、練習があって修理出来ない、なんて言っていると取り返しのつかないことになります。

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これも、割れの起点は音孔ですね。

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皆さんも割れには注意してください。

練習ももちろん大切ですが、良い音を奏でる為には楽器も十分にケアしないといけませんよ。

担当KK