‘エッセイ’ カテゴリーのアーカイブ

 

クレモナの思い出 4

2016 年 4 月 2 日

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いよいよ迎えた、コンサート当日の朝。
天気は、、、、まあ、なんとか持ちそうですね。
ホテルの前から、ドゥオモがわずかに見えます。

 

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帰国を翌日に控え、お土産タイムです。
街の中心のお菓子屋さんには、バイオリン型のチョコレートなど、この街ならではのグッズが並びます。

 

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どれもおいしそうで、迷ってしまいます。

 

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午前中から、皆さん歩いて向かった先は、、、、

 

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皆さん、どんどん吸い込まれていきます。

 

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そう、ここは菊田浩さんと高橋明さんの共同工房です。

 

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例のごとく、すごい人数でお邪魔してしまってすいません。。。。
工房は完全に満員状態ですね。

 

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工房見学というよりは、お二人を囲んでの懇親会という雰囲気です。
お二人の製作にかける思いを聞き、積極的に質問もします。

 

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整然と並んだ工具類。

 

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そして、意味ありげに用意されたバイオリンたち。

 

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お二人の作品でのミニコンサートのスタートです。
まずは、菊田さんのバイオリン。

 

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そして高橋さんのチェロ。

 

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お二人の楽器だけで、カルテットにもチャレンジします。

 

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楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。
こんな大人数での訪問だったにもかかわらず親切に迎えてくださり、ありがとうございます。
皆さん笑顔での記念撮影。この後、いよいよコンサート会場に向かいます。

 

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カッターネオ宮殿に、徐々にお客様が集まってきます。
いよいよコンサートの始まりです。

 

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日本から携えてきた愛器を手に、さあ出陣です!

 

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いよいよ開演。1曲目は、モーツァルトのディベルティメントです。
爽やかなメロディーが、宮殿中に響きます。

 

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もちろん、参加者にとっては初めての外国での演奏。
女性は色とりどりのカラードレスと決めていました。
もちろん緊張しないわけではありませんが、楽しみのほうが勝っています。
『これならイケる!?』と皆思ったはず。

 

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途中、参加者の一人である宮地楽器講師・武石侑子先生のソロコーナーも。
素敵な小品を3曲演奏していただきました。
ピアノは、クレモナで活躍中のピアニスト、ニコロ・リッツィさんが引き受けて下さいました。

 

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宮殿の大広間は完全に満席。
回廊部分にまでこんなにたくさんの来場者が溢れてしまいました。
立ち見になってしまった皆様、申し訳ありません。

 

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途中、指揮者の末永隆一先生による曲目解説も挟みながらコンサートを続けます。
会場を埋めるのは、クレモナ在住の弦楽器製作家の皆さんをはじめ、そのご家族、一般市民、クレモナを訪れていた観光客の方々など。
ポスターの効果でしょうか、予想以上に一般来場者が多い印象です。
解説は、日本語とイタリア語両方で行います。
ここでも、バイオリン博物館の安田さんにお手伝いいただきました。

 

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コンサートも後半へ。鬼門と言われてきた、ヴィヴァルディの調和の霊感が始まりました。
イタリアの人々に、私たちの演奏するヴィヴァルディはどのように聞こえるのでしょうか。

 

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日本でひと夏を費やした難曲です。
本来は4つのソロバイオリンとオーケストラのための協奏曲ですが、なんとソロパートを全員で弾いています。
つまり、全員が4つのソロパートのどこかに割り当てられているので、気が抜けません。

 

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日本での練習の成果を余すところなく披露します。

 

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コントラバスで賛助出演してくださったのは、クレモナ在住の西村啓志さん。
将来を嘱望される製作家です。

 

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そしてプログラムは最後のコーナーへ。
エムセックインターナショナルの最強の添乗員、岩本さんをソプラノにお迎えしての、日本の歌、イタリアオペラ名曲集です。
このツアーのために特別に編曲された『さくらさくら』、『赤とんぼ』、『ふるさと』、そして『女心の歌』、『カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲』、『誰も寝てはならぬ』を演奏しました。

 

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最後にはワイングラスを使った演出を。。。。。

 

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当然、『乾杯の歌』です!

 

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イタリア人ならば誰でも知っているメロディーに、来場者も大喜び!一緒に歌って下さいました。

 

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コンサートは大成功!!
旅行中一番の笑顔で、記念撮影。
こんな笑顔、なかなか見ることはできません。

 

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お世話になった皆さんも招いての、打ち上げパーティー。
文字通り、イタリアでの最後の晩餐です。
翌朝早くの出発であるにもかかわらず、深夜まで盛り上がりました。

 

25 Montagne

翌朝、帰国の途へ。
早朝のミラノ・マルペンサ空港で私たちを出迎えてくれた、アルプスの山々。
旅の成功を祝福してくれているかのような美しい風景を目に焼き付けて、機内へ。

こうして私たちの5泊6日のクレモナへの旅は終わりました。

 

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4回にわたって連載してきましたが、これが私たちのクレモナへの旅の全記録です。

旅を通じて、『バイオリンの故郷・クレモナ』で製作家の方々と出会い、バイオリンの長い歴史に触れることができました。
また、演奏を通じて、私たちのバイオリンを愛する心をクレモナの皆様にお伝えすることができたのではないかと思います。

参加された方々はきっと、旅の前よりずっとバイオリンのことが大好きになっているはずです。

さて、今回は残念ながらご参加いただけなかった方、そして、『もう一度クレモナで演奏させてほしい!』という参加者からの声にお応えして、第2回目のツアーも準備中です。

次回は、2018年10月を予定しております。
参加受付は、2018年2月ごろ開始予定です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。もちろん宮地楽器の会員様でなくてもOKです。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

(報告:宮地楽器小金井店 山本)

 

 
 

クレモナの思い出 3

2016 年 3 月 31 日

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一夜明けての土曜日。毎週土曜日は、クレモナの朝市が開かれます。
ドゥオモ前の広場もご覧の通り。

 

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イタリアといえば、生ハム、サラミ。

 

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そして新鮮な野菜や果物も。

 

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この日は、旅の大切な目的の一つである、バイオリン博物館の見学からスタートです。

 

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なんとホテルから徒歩1分という近さ。
皆さん歩いて入口に集合です。

 

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博物館の内部は残念ながら撮影禁止でした。
見学を終えての集合写真です。
内部写真をご紹介できなくて残念ですが、クレモナでのバイオリンの誕生から現在に至るまでの歴史、その製作方法を学び、ストラディヴァリ、ガルネリ、アマティなどの名器を思う存分堪能しました。
さらに博物館併設のホールで、ストラディヴァリを使ったコンサートを鑑賞して大満足。

 

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この日の午後は自由行動。
希望者のみで、クレモナからほど近いブッセートを訪れました。
イタリアオペラの大作曲家、ヴェルディゆかりの街です。
広場では立派なヴェルディ像が街を見守っています。

 

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まずは腹ごしらえから。
地元名産のハム、サラミが味わえるという評判のレストランへ。

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店内の壁面もヴェルディ一色。さすがです。

 

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ある意味、貴重な資料です。オペラ好きにはたまりません。

 

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ワインは、このようなお椀でいただくのがここの流儀のようです。

 

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トマトペースト、ジェノベーゼ風ペースト、唐辛子(!)ペーストなど、様々な味付けで特製パンを味わうことができます。

 

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これは、豚の脂身を固めて揚げたおつまみ。ワインによく合います。
ハムが登場する前に、お腹がいっぱいになりそうです。

 

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そして、本題の生ハム。
圧倒的な迫力に、参加者も思わず笑ってしまいます。

 

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特産のサラミも種類が豊富です。
イタリアへ足を運ばないと味わえないものの一つです。

 

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このレストランでは、おつまみの胡桃をお客さんに割らせてくれます。
指揮者の末永先生も楽しそうです。

 

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割り過ぎです、先生。

 

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昼食後は、ヴェルディが晩年を過ごしたヴェルディハウスを見学します。

 

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館内は撮影禁止でしたが、ヴェルディが愛した美しい庭園は撮影できました。
きっと毎日、この風景を眺めていたに違いありません。

 

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この写真では全くわかりませんが、この池、上空から見るとト音記号の形をしているそうです。

 

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当時の馬車も展示されていました。

 

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クレモナの街へ帰ると、翌日の演奏会本番を想定した、カッターネオ宮殿でのリハーサルが待っていました。
なかなか過酷なスケジュールです。

 

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黄金色の大理石が美しい宮殿の大広間。

 

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美しいクーポラ(天蓋)。日本の家屋とは全く違った残響が私たちを包みます。
バイオリンが生まれ、もともと演奏されてきた環境はこのような響きを持っていたのです。

 

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響きの美しさに感動すると同時に、残響やお互いの音の聞こえ方など、日本での練習と違った環境に戸惑いも隠せません。

 

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そんな時、指揮者の末永先生から的確な指示が飛びます。
ポイントは、『常に全力で弾くのでなく、トップの音、周囲の音が聞こえる音量で弾くこと』。

 

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今回のツアーの添乗員、エムセックインターナショナルの岩本さんも、ソプラノで私たちの演奏に参加して下さいます。
ウィーンへの留学経験もある岩本さん、プロの実力で私たちの演奏を盛り上げて下さいます。

 

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そして、録音はなんと、、、、!バイオリン製作家の菊田浩さんが担当して下さっています。
楽器製作に転身する前は、クラシック音楽の録音エンジニアだった菊田さん。
ある意味本職の方が贅沢にも私たちの音を録って下さっているのです。
ここまでバックアップして頂いた以上、明日の本番は外すわけにはいきません。

 

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リハーサルの帰りに街で見かけた、私たちの演奏会のポスター。
明日、私たちの想いは街の人々に届くのか?

 

 
 

クレモナの思い出 2

2016 年 3 月 29 日

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クレモナの街では、3班に分かれての工房見学、そして街の中心部の観光です。
ドゥオーモ広場で通訳を務めてくださっているのは、バイオリン博物館唯一の日本人スタッフ、安田恵美子さんです。

 

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3班に分かれたとはいえ、この人数でお邪魔してすいません、マエストロ。
クレモナを代表する製作家、シメオネ・モラッシーさんの工房です。
通訳してくださっているのは、現地で製作に励む日本人製作家の百瀬裕明さん。
そして写真左には、ホテルで我々の到着を出迎えてくれた製作家の菊田浩さんの姿も。

 

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クレモナの新作バイオリンを世に広めた功労者、ジオ・バッタ・モラッシー氏の長男であり、現在はその工房を引き継いでクレモナの弦楽器製作界のリーダー的存在となったシメオネさん。
私たちに、バイオリンの製作過程を丁寧に教えて下さいました。

 

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これは、バスバー(力木)と言われる表板の裏側に接着する補強材。
ものの数分の間にある程度合わせてしまう技は、さすがです。

 

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同時進行で製作されている、スクロール部分。

 

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参加者が日本から持参した、シメオネさん製作のバイオリンを演奏して下さいました。

 

8 Gio Batta

ここで緊急事態発生!すでに伝説的製作家となったジオ・バッタ・モラッシー氏が突然工房に登場し、参加者のテンションはマックスに。
慌ててシャッターを切ったのでした。

 

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80歳を超えてなおエネルギッシュに活躍する巨匠も、美女には弱いようです。

 

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続いて訪れたのは、クレモナの国際弦楽器製作学校で長年教師としても活躍されている、アレッサンドロ・ヴォルティーニ氏の工房です。
製作学校時代、ヴォルティーニ先生にお世話になったという製作家の高橋明さんが通訳を務めてくださいました。

 

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こちらの工房では、なんと製作体験もさせて下さいました。
裏板削りに没頭しているのは、参加者の一人で、宮地楽器講師の武石侑子先生。

 

11 Mariko e Voltini

参加者の一人が日本で愛用しているヴォルティーニ氏製作のバイオリンを取り出したところ、すぐに調整会が始まってしまいました。

 

11 Voltini

参加者が持参することで、生まれ故郷の街と工房に里帰りしたバイオリンたち。
心なしか、バイオリンもうれしそうですね。
製作者であるヴォルティーニさんも、日本のユーザーが訪ねてきてくれたことを大変喜んでいらっしゃいました。
左は、ヴォルティーニ氏のかつての弟子で、現在は国際コンクールに優勝するほどの実力者となった韓国出身のソンヒさん。
彼女がヴォルティーニさんの工房での修行時代に製作した作品も、今回の旅で里帰りを果たしました。
参加者の夢が叶った瞬間です。

 

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ホテルにチェックインしたのも束の間、ホテルの地下室で本番に向けての合奏練習です。(夕食はお預けです)

 

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長旅の疲れもありますが、現地でも演奏感覚を取り戻すために必死です。

 

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練習のあとは、ようやく遅めの夕食です。
クレモナで味わう、本格的なイタリアの家庭料理です。

 

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レストランの壁面にはさりげなくバイオリンが飾ってあったりして、バイオリンの街にやってきた実感が湧いてきます。
こうして、ミラノ観光、工房訪問と大忙しだったクレモナ初日の夜は更けていきます。

 
 

クレモナの思い出 1

2016 年 3 月 27 日

宮地楽器が長年企画・構想してきて、昨年ようやく実現した『バイオリンの故郷・クレモナを訪ねる演奏ツアー』
未だ興奮冷めやらぬ参加者一同ですが、ここで旅の記憶を留めるため、またいつも宮地楽器ブログをご愛読いただいている皆様へのご報告を兼ねて、詳細を連載していきたいと思います。

このツアーは、これまでにバイオリンをお求め頂いたお客様や、長年レッスンを続けてこられた生徒様に、バイオリンの故郷であるイタリア・クレモナの地をぜひ見て頂きたい、そしてそこで活躍する製作家たちに演奏を披露して頂きたいという思いから実現しました。
そこで参加者が目にしたものとは? 演奏会は果たして成功したのか? ぜひ楽しみながらお付き合い下さい。

1 aeroporto

旅の始まりはミラノ・マルペンサ空港。
東京からスイスのチューリッヒを経由して15時間以上の長旅でした。
愛器はもちろん、日本から連れて来ました。

 

2 hotel Milano

ミラノのホテルに一泊した一行。
長旅の疲れは少し残りますが、皆さん元気に朝食です。

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これから始まる旅に、期待が膨らみます。

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クレモナへ向かう前に、万博に沸くミラノの街を少し観光。まずは、スフォルツェスコ城。

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15世紀からの歴史を誇る、ヨーロッパ有数の城塞です。
内部には美術館や楽器博物館も併設されており、本当はすべて見て回りたいところでしたが、今回は一部だけ。

3 castello

早速皆さんで記念撮影です。

4 Duomo di Milano

そしてミラノで最も有名なのが、このドゥオモ。
あいにくの曇り空でしたが、その美しさはやはり格別。
5世紀もの期間をかけて多くの芸術家によって完成されたこのドゥオモは、人類史上最も美しい建造物の一つでしょう。

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さらに、ガイドつきで内部を見学できて感激。

5 intero di Duomo

イタリアの代表的な建築物を前に、思わずテンションもあがります。
イタリアに来た実感が湧いてきます。

 

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ため息が出るような美しさです。

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続いてやってきたのは、観光客の最も多く集まる、ガレリア。
有名店やお洒落なカフェがひしめいています。

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プラダの斜め前にある雄牛のモザイクには穴があいてます。
止まらずにかかとで3回転すると「幸福になれる」という言い伝えがあるそうですが。。。。。

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そして、お昼御飯はミラノ風カツレツです。

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昼食後にバスに乗って、今回の旅の目的地であるクレモナへ移動。
こちらのドゥオモはミラノほどの豪華さはありませんが、荘厳な雰囲気は負けていません。
横にそびえ立つトラッツォは、階段で登れる鐘楼としては今でもヨーロッパ一の高さを誇っています。

いよいよ、クレモナのマエストロたちとの出会い、名器との出会いが待っています。

 
 

製作家・松上一平さん テレビ出演のお知らせ!

2015 年 1 月 9 日

宮地楽器ご推薦の弦楽器製作家・松上一平さんが、今週末テレビ番組に出演されることになりました。

放送は1月10日(土)22:54~23:00 BS-TBS 『世界人』 という番組です。
(通常20:54~の放送ですが、この日だけ変更となっていますのでご注意下さい)

世界を相手に活躍する方たちの〝自分流″の生き方を紹介するドキュメントです。

世界を驚かせた、クレモナ・トリエンナーレでのサッコーニ賞受賞から2年。
松上さんの新たな挑戦に、注目が集まります。

皆様ぜひご覧下さい。

◆松上さんの作品などの詳細ページはコチラ
◇番組の公式HPはコチラからどうぞ。(宮地楽器のサイトを離れます)

 
 

クレモナ モンドムジカ 2014

2014 年 10 月 6 日

世界一の弦楽器国際見本市、クレモナ・モンドムジカが今年も開催されました。
まずは、すでにお馴染みとなったこの風景から。


9月の最終週、今年は天候にも恵まれ、すっかり秋らしくなってきた北イタリアの古都の風情を味わうことができました。


数年前に比べると規模は小さくなったものの、ヴァイオリンの聖地・クレモナのモンドムジカはやはり活気があります。


趣向を凝らした展示や、弦楽器製作用材の販売など、関係者にとっては3日間では足りないほどのボリュームです。


同じ弦楽器の仲間ということで、ギターやマンドリンの展示、さらにはチェンバロなどの古楽器の展示も充実しています。


これは誰が弾くのでしょう、、、、、
全身琥珀で装飾されたヴァイオリンです。


クレモナの国立製作学校のPRコーナーもあり、弦楽器の製作過程が丁寧に説明されています。

さらにこの期間、街のあちこちでグループごとの独自展示会も催されています。
写真は、イタリア弦楽器製作者協会 (A.L.I ) の特別展示場です。私も、会員の最新作を演奏してみます。


さらに、別の会場で開催されていた展示会には、特別に1714年製のストラディヴァリが展示されていました。
息を飲むほどの美しさです。


そして再びモンドムジカの会場へ。同時開催されているピアノなど鍵盤楽器の祭典、クレモナ・ピアノフォルテ。
小金井店ショールームに勤務する私にとっては、新しい情報、商材などの獲得の場であり、商談の場です。
真剣に見て歩くと、3日ではとても足りません。こうして熱狂の3日間が終わると、街は急に静けさを取り戻し、秋が深まっていきます。


旅でお世話になった、クレモナ在住の製作家の方々と食事をしてお別れです。
いつも慌ただしいスケジュールの中フォローしてくださる、心強い仲間です。

今回のモンドムジカで入手した作品は、順次小金井店のホームページでご紹介していく予定です。
実は、宮地楽器では初となる、あるモノも入荷しています。
その秘密は、ぜひご来店のうえお確かめ下さい。

報告:小金井店 山本岳志

 
 

2014′夏 ヨーロッパ遠征記<3> パリ

2014 年 8 月 17 日

パリのシャルルドゴール空港からバスに乗り、降りたら凱旋門の前でした。快晴です。

アポイントの間に少し時間があったので、久しぶりに楽器博物館に立ち寄ってみました。


クレモナのバイオリン博物館に負けず劣らず、こちらにもアマティ、ストラディヴァリ、ガルネリなどの名器が展示されています。


こちらは、ヴィヨームが考案したと言われている巨大な弦楽器、オクトバス。
もはや一人では演奏不可能で、二人がかりで演奏するそうです。


さて本題はここからです。今回パリに立ち寄った目的の一つに、職人の技術交流というものがありました。
日本における修理手法、また修復に対する考え方と、ヨーロッパにおけるそれとでは、時に違うこともあります。
日常的に行っている修理でも、たまにこうした交流を図ることで新たなヒントが得られる場合があります。
写真は、宮地楽器の職人・岩下が、パリのマエストロ、Guy Coquoz氏にアドバイスを受けている様子です。


もちろん、その間私は古い楽器や弓を探していたりします。

旅の終わりに、またモンマルトルの丘に登りました。
パリを高台から見下ろすことができ、心がスーっと洗われていくような気分です。
日本のお客様に、今回出会った楽器と弓をご紹介するのが楽しみです。

報告: 宮地楽器 小金井店 山本

 
 

2014′夏 ヨーロッパ遠征記<2> クレモナ

2014 年 8 月 16 日

日本では最も暑い時期といえば8月ですが、北イタリアでは1ヶ月以上早く真夏がやってきます。


ミッテンバルトのコンクールも終わり、イタリアのクレモナにやってきました。
連日35度くらいの猛暑で、さすがのストラディヴァリ先生も暑そうです。

昨年オープンしたばかりの新しいバイオリン博物館。昨年はモンドムジカのシーズンに訪れたため、大変混雑していましたが、今回はゆっくり見ることができました。最近はイベントで賑わっている時期のクレモナに居ることが多いので、久しぶりに普段の街を歩いて、マエストロたちと交流することにしました。


大きなコントラバスと共に出迎えてくれたのは、クレモナの郊外で長年製作活動を続ける、
Piergiuseppe Esposti(ピエールジュゼッペ・エスポスティ)さん。知る人ぞ知るベテランで、クレモナのマエストロたちからも一目置かれる存在です。


エスポスティさんの仕事場。雑然としているようですが、ヴァイオリンとチェロの製作、さらにはコントラバスの仕上げまで並行してやってしまう手際の良さ。
芸術家肌の製作家ではないかもしれませんが、逆に昔ながらの職人気質に共感を覚えます。


私たちが注文していたヴァイオリンを2本、手に入れました。
彼のクレモナの製作学校時代の師匠は、Pietro Sgarabotto(ピエトロ・スガラボット)。
エスポスティさんの作品の持つ新作離れした音色、現代クレモナというよりは20世紀のモダンイタリアンを彷彿とさせるテイストは、そんな源流を大切にしていることに由来するのかも知れません。


今度はクレモナの中心地に戻ってきて、モラッシーさんの工房にお邪魔しました。
出迎えてくれたのは、長年この工房で働く、Stefania Bodini(ステファニア・ボディーニ)さん。
ちょうどネック部分の製作中でした。


クレモナで最も重要なマエストロ、Simeone Morassi(シメオネ・モラッシー)さんの信頼も厚いステファニアさん。
近年では、シメオネさんの作品と見間違うほどのレベルの高い新作を世に送り出し、多くのヴァイオリンファンから賞賛されています。
彼女の最新作を手に入れました。


クレモナを離れる前に、親しい仲間で集まり、先日のミッテンバルトでのコンクールに出品された楽器の試奏会を行うことにしました。
締めくくりとして、改めて楽器同士の音の違いを聴いてみます。


まず、私が弾いてみます。カメラをセットされると、ちょっと緊張します。


製作家の高橋明さんも弾いてみます。


みんなで交代で弾いてみます。それぞれの楽器の特徴がよく分かります。改めて、どの楽器もレベルが高いと思いました。


昼間はあれほど暑かったのに、夕暮れとともに涼しくなってきます。湿度も日本より低く、快適です。

お世話になった皆さんと食事をともにして、また次の目的地へ。

遠征記はまだ続きます!

 
 

2014′夏 ヨーロッパ遠征記〈1〉 第7回ミッテンヴァルト国際弦楽器製作コンクール

2014 年 7 月 25 日

少しご報告が遅くなってしまいましたが、先月開催されたドイツのミッテンヴァルト国際弦楽器製作コンクールに出掛けてきましたので、その様子をご紹介させていただきます。

ミッテンヴァルトは、その名の通り森と山に囲まれた小さな町です。中世からタイムトリップしてきたような美しい旧市街は、いつも観光客で賑やかです。

ミッテンヴァルトのヴァイオリン製作の開祖とも言える、マティアス・クロッツの像です。

同じく街の中心にある、ヴァイオリン博物館。昔の楽器製作の様子などが紹介されています。

普段はなかなか見ることができない、この地方のオールド名器が多数展示されています。
時間を忘れて見入ってしまいます。

さて、本題である製作コンクールの展示会場にやってきました。普段は学校として使われている建物のようです。
ご覧の通り、街の背後には2,000メートル級の山がそびえており、我々を威圧します。

ここで、コンクールに参加した全作品を見ることができます。

まず見つけたのは、今回のコンクールで日本人最上位となる、ヴィオラの第4位を受賞した、高橋明さんの作品。
いつものように、うっとりするほど美しいニスの仕上げです。
今年の10月31日から開催される、科学技術館での弦楽器フェアでご紹介予定ですので、どうかお楽しみに。

続いて、堂々第9位に入賞した、松上一平さんのヴィオラです。
松上さんは2012年のクレモナ・トリエンナーレでも、30歳以下の最高得点者に贈られるサッコーニ賞をヴィオラで受賞しており、今回も得意のヴィオラで上位入賞です。
この作品は、現在宮地楽器小金井店のヴィオラフェアで展示中です。

同じく、ヴィオラ部門で第12位という上位に入った百瀬裕明さんのヴィオラ。
温かみのあるテイストで、来場者から注目されていました。
こちらも、小金井店のヴィオラフェアで展示中です。

続いてヴァイオリンコーナー。第22位に入った、菊田浩さんの作品です。
離れた場所からもそれと分かる、オーラを放っています。

同じく、高橋明さんのヴァイオリン。第17位に入りました。

第20位、百瀬裕明さんのヴァイオリンです。この作品も、小金井店に展示中です。

少し逆光の写真になってしまいました。西村翔太郎さんのヴァイオリン。第27位でした。

そして我々を驚かせたのが、現在ジェノバで仕事をしている金子祐丈さん。
ヴァイオリン部門では日本人最高位となる、第8位でした。
独特のテイストを持つオイルニスの仕上げで、バランスの取れた美しいプロポーションの楽器です。
この作品も、現在小金井店に展示中です。

そして、頂点・ゴールドメダルに輝いたのは、フランスのMarcus Klimkeさん。
ヴィオラ部門も優勝で、なんと2部門制覇です。
ワイルドかつ美しい仕上げで、優勝楽器に相応しい風格でした。

このコンクール、楽器だけでなくヴァイオリン、ヴィオラ、チェロそれぞれの弓の部門もあります。
やはり世界トップクラスの実力者が、ここでもその力を見せます。

こうして眺めていると、上位に入賞していない楽器の中にも、魅力的な作品がたくさんあることに気づきます。
コンクールの結果は確かに大切ですが、私たちの仕事で大切なことは、一つ一つの楽器から発せられているメッセージを受け止めることができるかどうかだと思います。皆それぞれに美しく、世界に一本だけの、ハンドメイド作品としての魅力を持っているのです。
コンクールの審査というのは、本当に大変だということを改めて思います。

最後に、コンクールに参加された日本人製作家の皆さんと記念撮影です。
楽器の引き取りも無事に終わり、皆さん良い表情ですね。

しかし我々の旅は、まだまだ続きます。

遠征記第2弾をお楽しみに!

 
 

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 出展&講演会のご報告

2014 年 5 月 8 日

5月3日(土・祝)~5日(月・祝)にかけて、国際フォーラムを中心に開催されたクラシック音楽の祭典
「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014」
今年も大盛況で、期間中には延べ61万人もの人が来場したそうです。

この一大イベントに、宮地楽器は千代田音楽連合会の一員としてブースを出展しました。
また、世界的に活躍する弦楽器製作家 菊田浩氏をお迎えして講演会も開催。
多くの方にご来場を頂きました。
今日はその模様をご報告いたします。

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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンは、今年で記念すべき10回目。

華やかに彩られた国際フォーラムの広い会場には常に音楽が流れ、例年以上に多くの人でにぎわっていました。

地下の広場でほぼ一時間おきに行われるコンサートは、他公演チケットを持っていれば無料で聴くことができます。

期間中の公演数は有料・無料を合わせ360以上に及びます。
会場は、公演をはしごして、合間の時間に無料公演や屋台のごはんを楽しむ人であふれていました。


講演会の模様

5月3日、
『100年先の名器を作る~
ヴァイオリン製作の魅力』

と題し、世界的に活躍する弦楽器製作家 菊田浩氏の講演会が開催されました。

定員約150名、整理券を配布しての無料公演でしたが、お陰様ですぐに満員になりました。

講演会の模様

宮地楽器の山本が聞き手となり、製作過程の貴重な映像や写真などを使って、弦楽器製作について様々な角度からお話をしていただきました。

普段見ることのできない製作シーンを見たり、製作過程の材を実際に手にして、その緻密さや美しさに驚く方も多く見受けられました。

講演会の模様

宮地楽器講師の三ツ木摩理先生による演奏のコーナーも。2005年製のヴァイオリンと、作られて間もない作品を弾き比べ、それぞれに異なる魅力を聴いていただきました。

終演後は、菊田氏の作品を弾く方やじっくりと眺める方が大勢。中には菊田氏にサインや記念写真を求める方も。

講演会終了後

講演会はお陰様で大変ご好評をいただきました。
ご来場頂いた皆様、誠にありがとうございました。

*菊田浩氏について詳しくはこちら


千代田カルチャー情報スペース

5月4日・5日は、ちよだ音楽連合会の合同ブース「千代田カルチャー情報スペース」に、宮地楽器のブースを出展しました。

こちらが千代田カルチャー情報スペース。
お茶の水の楽器店や古書店がそれぞれのブースを出していて、常に活気のあるスペースでした。

宮地楽器ブース

宮地楽器のブースでは、お子様用の分数ヴァイオリン、日本人製作家の作品など、宮地楽器の商品を展示。
多くの方にお立ち寄り頂きました。

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講演会や宮地楽器ブースにお越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。

年々内容が充実し、人気も高まってきているラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。
来年はどのようなテーマでどんな演奏会が繰り広げられるのか、今から楽しみですね♪