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music in life 〜vol.1 ピアノレッスンレポート〜

音楽は聴くだけでなくやってこそ、
発表の場があってこそおもしろい。

記憶力、持続力の衰えは練習時間でカバーできる。
仕事引退後は、音楽をやるチャンスです。

小川卓良さん

プロフィール

おがわたかよし。鍼灸師、杏林堂院長。47年東京生まれ。71年慶應義塾大学工学部管理工学科、78年同大学院卒(工学博士)。75年東京高等鍼灸柔整学校卒業(鍼灸師免許)。80年厚生大臣指定はり師きゅう師専科教員課程修了(教員免許)。この間、父が会員する杏林堂(東京・西新宿)に勤務、現在は院長を務める。東京衛生学園臨床教育専攻科講師、社団法人日本鍼灸学会常務理事、日本伝統鍼灸学会渉外部長(常務理事)。中国中医学院、シアトル、ボストンなど、海外でも臨床指導や公演を行う。共著・監修書籍に 『アレルギー疾患に対する鍼灸治療』 疾患別治療大百科 シリーズ6 「アレルギー疾患」(医道の日本社)、 『東洋医学者のためのハンドブック』 ( 医道の日本社)などがある。

−−ピアノを始めてどれくらいになりますか?

 

30代後半からです。娘といっしょにバイエルからスタート。学生時代はギターをやっていたのですが、職業柄、脈を診たりツボを探すのに指先が硬くなるのでピアノを。ずっと独学で時間のあるときにやっていました。宮地楽器でレッスンを受け始めたのは去年。57才からです。ピアノだけでは前からやっていた人に太刀打ちできないので、弾き語りがやりたかったんです。弾き語りのコースはなかったのですが、大槻美紀 先生はもともと歌の先生でピアノもできるので、両方教えていただけるということで。『スターダスト』『THUNAMI』…自分が歌いたいと思う曲を習っています。

−−団塊の世代の小川さんが大学でギターを弾いていたころは、ものすごいバンドブームですよね。

 

アメリカンフォークの全盛期で僕もピーター・ポール&マリーやキングストントリオに夢中でした。大学では「慶應リアルマッコイズ」に所属。「セイントフォー」などは、レコードを出すなどセミプロのような活動をしていました。僕らはそういうバンドを見に行ったり、あちこちついていって、前座ですけどいっしょに出たり。学生をしながら音楽ができた時代です。岡山へ行ったときは観客4000人ですよ。2階席までいっぱいでどうしよう…って感じ。いちばんの感動は「喝采」、アプローズ・観客の拍手です。あれは中毒みたいなもの。いい気分を味わって、満足したんですよね。

−−今のバンドは違う?

 

今は学生をあきらめて「プロになる」と勝負をかけないとできない。僕らの時代でも4〜5才下になると、僕らより全然上手いのに、一般の人を前に演奏を聴かせる機会は少なかった。不完全燃焼だったのだと思います。僕らはやるだけやったからみんな自分の実力を知っている。だから、その後それぞれ別の正業についたんです。

−−再びバンドを始められたそうですね。

 

3年くらい前ですかね。みんなが同時期に「またやらないか」と言いだして。55才を過ぎると先が見えるんですよ。これ以上出世できそうにない奴は仕事の目標がなくなる。このままでも生活には苦労はないから、何か新しいことをやろうとバンドを再開した。仕事より趣味の優先順位が上がってきたわけです。

若さをたもつためには挑戦すること。挑戦する人は脳が委縮しないという結研究結果もあります

−−齢をとると覚えが悪くなるというのは、共通の悩みのようですが…

 

20才前後に比べれば記憶力も持続力も落ちますけど、その分練習量でカバーすればいい。仕事を引退したときはチャンスだと思います。あとはモチベーションの問題。発表の場があれば誰でも一生懸命になります。人前でやるとなると優先順位が上がるから。目的があれば努力しますよね。漫然とやっていてはだめです。新しいことにチャレンジする人は、生命の根源に関わる大脳の海馬の委縮が極端に少ないこともわかっています。脳は目標をもって挑戦することで活性化する。どんなことでもいいけれど、体を動かすことをプラスするといいですよ。

−−人前で演奏する緊張感も脳の活性化にはいい?

 

僕はマラソンもやるんですが、結果は常に練習量と比例します。評価者は自分なんですね。でも演奏はそうはいかない。評価は聴いている人が出す。被評価者と評価者がいる。そういう意味では音楽のほうが緊張感がきついかわりにやったときの喜びは大きい。でも失敗したときの落胆も大きい。緊張感は人生のスパイスのようなものです。最近ピアノのほうは停滞ぎみ。どこかピアノのある店で弾き語りをする夢もある。それが目標になればモチベーションも上がります。そのためにはもう2ランクくらい腕を上げなければね。

次回は8名の生徒さんによる座談会レポートです。お楽しみに。

>>vol.2座談会レポート(前半)へ


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レッスン風景

「自分に足りないところを教えてくれるからプロに習うのが断然いい。」大槻先生とのレッスン。宮地楽器MUSIC JOY 渋谷で。


バンド

12月には大学時代の友人宅でライブを予定。またモチベーションが上がりそうですね。


小川先生

足を傷めてお休み中ですが、マラソンへのモチベーションは高いそう。 インターネットに一歳刻みのフルマラソンランキング表というのがあって、僕が52才でつくったベストタイムは6位くらい。「また挑戦したい!」


診察室でピアノを弾く

練習時間があまりとれないのが悩みの種。もっぱら練習は診療室の片隅のキーボードで。


掛け軸の前で

ミュージシャンの来院も多い。 来日したら必ず来るのはロバータ・フラック。マイケル・デイビス、ナンシー・ウィルソンなどの治療にも当たった。「ストレスと緊張感をほぐす目的で、ここ10年、若い人の受診もふえました」。
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